山川美雪のかたち
粘土の塊をピアノ線で削ぎ落とす
硬くなった粘土の塊を木槌で叩き落とす
3ミリに伸ばした粘土を掴む
置かれた作品を見つめて、そのあと裏側を覗きたくなるのだけれど、それは裏を見たいというよりも、その向こうを覗きたくなる感じ。
縁に塗ったサビ色がナビゲートする。
かたちを見るというよりもかたちを追っている。触っている。
艶あり マット 乳半 ちぢみ 剥落
水色 ピンク ベージュ しろ ブルー
かたちという感触。
新しく生まれてきたものだけれど
すでに記憶があるような
個であるものだけれど
何かのかけらで破片であるような
彼女が切り取った形だけれど
それはどこかにつながっている「かたち」です。
残されたかけら
やさしい破片
拒絶しない破片
かけらはつながっている。
かたち マット 水色
錆色のふちどり
3ミリの重なり
手の中の バベルの塔
かたち 白
マット ざらつき