山河美雪

山川美雪のかたち

粘土の塊をピアノ線で削ぎ落とす

硬くなった粘土の塊を木槌で叩き落とす

3ミリに伸ばした粘土を掴む

置かれた作品を見つめて、そのあと裏側を覗きたくなるのだけれど、それは裏を見たいというよりも、その向こうを覗きたくなる感じ。

縁に塗ったサビ色がナビゲートする。

かたちを見るというよりもかたちを追っている。触っている。

艶あり マット 乳半 ちぢみ 剥落

水色 ピンク ベージュ しろ ブルー

かたちという感触。

新しく生まれてきたものだけれど

すでに記憶があるような

個であるものだけれど

何かのかけらで破片であるような

彼女が切り取った形だけれど

それはどこかにつながっている「かたち」です。

残されたかけら
やさしい破片
拒絶しない破片
かけらはつながっている。
かたち マット 水色
錆色のふちどり

3ミリの重なり
手の中の バベルの塔
かたち 白
マット ざらつき

 

 

 

ただいま準備中

ただいま準備中

『いろどりとふちどり』

赤刎千久子と山川美雪の二人展

2020229日(土)~39日(月)

11:3019:00 (最終日は17:00まで)

(3/3,4火水は休廊)

★229日 レセプションパーティー 17:00

みなさま是非お越しくださいませ。

chiqco akabane & miyuki yamakawa

無事終了!『標本』Dear “La Marie vison”

224日(月・休)シアトリカルシリーズvol.2
B
機関との合同企画「標本」の上演が無事に終了いたしました。
お越し頂きました皆さま、気にしていただきました皆様、
どうもありがとうございました。

vol.1に続き、野村直子さんに引っ張っていただき、B機関点滅氏の力を借り、準備を進めてきました。

点滅氏率いるB機関の公演に絡め、
vol.1
では「星の王子さま」、
vol.2
4月に上演される「毛皮のマリー」のプレイベントとしての舞踏と朗読。

今回は役者も多く総勢6名。直子さんが手がけた衣装やオブジェ、音響では小暮晴(ぐれはる)さんも加わっての上演。shell102での稽古も2回ほど。
全てではないけれど、出来上がってゆく途中に立ち会えることはとても大きなことで、稽古をやってもらったからこそ、シアトリカルシリーズを打出す「箱」になれると思うのです。

点滅氏の舞踏が言葉を紡ぎ(本当は逆かもしれないけれど私はこっち)、
亡霊・蝶・欣也を動かす(本当は逆かもしれないけれど私はこっち)

点滅氏は公演前に
「今回のこのイベント(「標本」)は、舞踏側からの演劇。本公演とは反対のルートで山を登る感じ。
B
機関の新しい、もしかしたら本来の形の原型なのかもしれません。」
と語っています。
この言葉はこれからのshellのヒントになりそうです。

そして野村直子さんのパワー。
その場でハサミでチョキチョキと出来上がってゆく衣装、蝋燭に火をつけると流れ落ちる蝋の痕も空間に写してゆくらライブ感。
まさしくシアトリカル。

shell102シアトリカルシリーズ 次回もまた!

石本光男 展「巡る」 終了しました。

石本光男展「巡る」
無事に終了いたしました。
お越し頂きました皆さま、どうもありがとうございました。
トタン好き、小屋好き、廃墟好き、その風景と佇まい好き。
そんなことを巡っていくのです。
「巡る」という言葉が私の中でスッと納得。

トタン・トタニズム・トタニスト

さて、次の準備へ。

石本光男 展「巡る」

2020年最初のshell102の展覧会のお知らせです.

19日より

『石本光男 展「巡る」』を開催しています。

作者が歩いて出会う「小屋」
トタン板で覆われた「小屋」
記憶の引っ掛かりをひとつひとつ丁寧に紐解きながら自分の手の中で再生させる。
トタンのコラージュは時間の旅である。
トタニズム。

202019日(木)~20(月)(火・水は休廊)
11
301900(最終日は17時まで)
◎レセプションパーティ 111日(土)17時から

小屋やトタンをモチーフに描くようになって少なからず僕の旅のしかたも風景の見方も変わってきました。

あてもなく街をぶらぶらしたり、通りを1本づつ歩いてみたり、あえて道に迷って
みたり。
自分がみたい風景を探していると今まで気づかずに通り過ごしてきたことのいかに
多いことか、そして自分が想像する以上に現実にある風景は不思議な世界を持って
いることにも気づかされました。

そうして探した風景を写真に撮って持ち帰ったあとは絵という長い旅が始まります。
巡り巡りながら風景と自身の感覚がリンクするように。

今回の展覧会では資料として撮った写真やドローイング、水彩、コラージュ、油絵、立体などを展示します。(石本光男)

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

もうひとつドローイングのこと

ドローイングのことをもうひとつ
ドローイングのシートの大きさは16×20センチ
小さいけれど、大きくて深い世界が広がっている。
シートからちょっと離れて眺めると、その世界の形が見えてくるのだけれど
どんどん近づいて見ると、世界だと思っていたシートの中にいくつもの世界があることに気づくのです。
羽毛の最小単位の毳毳(ケバケバ)のような、飛沫の最小微粒子のような点や線が景色を作っていました。

離れて見たときと同じスケールが、近づいて見たときの絵の中にありました。

 

ドローイングと音楽

ドローイングのこと
徳永さんのドローイングは、これまでいくつかの手法で描かれていますが今回はエアブラシで描かれたものです。
そして今回は色がついているドローイングもあります。
このドローイング
音楽に見えます。
「音楽から絵」はなんとなくわかるのですが、「絵から音楽が見える」なんてなかなか体験していない。
「音楽が見える」もなかなか体験していない。
左がメロディー 右がリズム

*ドローイング・シートの大きさ 160×200(ミリ)
額サイズ:太子

Tayutau

1118日「徳永雅之展  The Scene of Light10日目
ペインティングのこと
徳永氏の絵を見る時、ほとんどの人が近づいたり離れたりを繰り返して絵を見ます。
多分ピントを合わせようとして近づいたり離れたり。でもピントは永遠と合わなて、ピントのない世界に入っていくのです。近づいた時見えるのは吹き付けられた塗料の微粒子。
どうしてぼやけているのか、近づいて見て見るとやはり最後までぼやけていて見えるのは吹付けられた塗料の微粒子。

だから離れても近づいても同じで大きさが違うだけなのです。

もちろん近づくと吹付けられた塗料のテクスチャーが見えるけれど。

そんなことを考えていた日曜日と月曜日。

ちょうど11年前に出版された「Tayutau」は徳永さんの絵と、テルミン奏者の溝口竜也さんの作った曲の譜面を収めた本です。

16年前(!もうそんなに経ってしまったの)に亡くなった溝口さんの追悼集になってしまったけれど、二人の作品集で画集と譜面の合体集です。
久しぶりに「Tayutau」を見て気づいたのは

溝口さん=テルミンと徳永さんの絵の共鳴。
譜面だから音は聞こえてこないけれど(*CDもあります)私は今頃やっと気づいた。

音の輪郭がないテルミンと徳永さんの絵。
テルミンは離れると小さく近づくと大きくなる音。
徳永さんの絵も離れると小さく近づくと大きくなる絵。

まだ整理できていないけれど気づいたこと。
もう少し整理できそうな気もするし、いまさら何を言っている・・と言われそうな気もするし(笑)
そんなこと考えるのもまた楽し。

譜面画集「Tayutau」 ¥3500(税込)・・取扱中
CDgift」(ネットで検索してください。どこかで売っています。)

 

西安とshell

この前の9月、中国西安にオープンしたホテルRitz Carlton Xianに徳永氏の作品が納められました。
作品はすぐに「徳永さんの作品だ!」とわかるペインティング作品です。
色は、
今回のコバルトライトブルーだけれど
西安Ritz Carlton Xianは緑が強いでしょうか。
そして
大きく違う点は展示場所
西安Ritz Carlton Xianはライティングは間接照明を引き立てる抑えた明るさに、濃い茶色を基調としたダークな石の内装。絵はまるで、天から降りてきた光を受け止めているかのよう。まさしくRitz Carlton Xianに納められた絵画。
shell102は白のペンキ。天井はコンクリート素地に数回しか塗装していないから真っ白ではなく、荒いコンクリートの地肌のテクスチャーが浮き出ています。
shellで展示しているコバルトライトブルーを使った作品が馴染む空間は、shellがそうであるように

陽があたる海の横の小屋。小屋の中は少しひんやりとしていて、外が眩しいから暗く感じるけれど陽の明るさが染み込んでくる感じ。

shellの白のペンキは、コンクリートの色が少し透けて貝殻の内側の骨白にちょっと近いかも(言い過ぎかな・笑)。

同じペインティング作品でも、「陰と陽」と言えるくらい違うなんて。

そんなことを思って見ていた今日のペインティング作品でした。